お問い合わせ/見学・体験申込み

ケア・ハートの取り組み

2020.03.11

出会いとお別れ。

Tさんが、まごのてに入居されたのは

今から14年前

スタッフに間違われるほど若く気遣いの方でした。

認知症と精神に病気があり、定期的に体調を

崩す事がありましたが、Tさんの心の中に

「優しさ」がどんな時もありました。

 昨年、体調に変化があり、医療が必要になり

積極的治療は本人、家族の意思で行わない事に

なりました。

 私はTさんに「どうしていきたい?」

Tさん「入院はしたくない・ホームに居て今まで

通りに接して欲しい。」

だんだんと体調が悪化し、思うように食事が

とれない・体がだるい・痛みが出てくる。

そんな時もTさんの意思に変わりはありません。

「ホームに居たいの。お願いね。」

Tさんの意思を守る為に、かかりつけ医、家族、

スタッフの理解と協力を頂きました。

「本人がしたい事・食べたい物をその時に!

大丈夫です。やりましょう」と寛大な心で

臨機応変にケアしてくれた、1階2階の

スタッフに感謝しています。

 

そして、娘さまを待つように息をひきとり、

ホームでお別れ会をしました。

不安な表情の入居者さんの手を握るスタッフ・

子連れスタッフが娘に「お空に行ったのよ」

と話をしている姿・初めてのお看取りをした

スタッフを温かくフォローする先輩スタッフ・

「後悔はありません」と笑顔の家族さま。

その光景は、小さなホームの小さな一室に

沢山の思いやりと温かみが溢れていました。

 

 

~ 家族さまからのメッセージを・・~

※了承を得て載せさせて頂きます。

 

母が旅立っていくまでスタッフの皆様1人ひとり

に寄り添って頂き、まさにマイホームでした。

家族が少ない私達にとって心温まる葬儀を

皆様でして頂けた事、心から感謝いたします。

かかりつけ医や関わる全ての方のおかげで、

意識が無くなる寸前まで本来の母で居られたこと

に驚いています。

 まごのてに来て約14年一緒に人生を共有できた事

介護の原点と言うか、人を思いやり、温かさ、優しさ

にこちらの方が学ぶ事だらけでした。

人もまだまだ捨てたもんじゃないぞー!と思いました。

皆さんの笑い声が大好きで、陽だまりでした。

 

 

介護職のするべき事は何なのか。介護する側

・される側ではなく、ともに生活者として日々

をどう入居者さんと過ごしていくか。

その方が今何を思って、何を感じているかを

中心に考えて行動していく。日々、スタッフ

と試行錯誤しています。

 

Tさん。たくさんの優しさをありがとうございました。

           管理者  井上 尚子